登録施設・団体数 91 (2024年4月現在)
掲載施設・団体数 91 (2024年4月現在)

自然・風土・歴史・文化を学ぶ [特集]体験紹介

実りの秋 収穫の喜び

人のご縁も旅のつながり。

秋のおいしいを楽しもう!
山里の棚田で稲刈り体験

山地が多い島根県は『日本の棚田百選』に選ばれる美しい風景が数多く残っている地域です。雲南市の「山王寺の棚田」では、地域の人たちが四季折々のイベントを開催し、田舎の暮らしを通して、メダカなど生き物のこと、自然の恵みなどを学び、体験を通して人と人との交流を深めています。さて、今日は稲刈りの日です。重労働ですが、収穫の喜び、「新米」をいただけることに感謝し、稲刈りを体験します。

雲南市にある山王寺は標高300mに位置する山里です。山王寺の棚田は「日本の棚田百選」に選ばれ、秋が深まると一面に雲海が広がり幻想的な風景が見られます。
ここの魅力は自然ばかりではありません。山の麓にはスサノオノミコトとイナタヒメが祀られる日本初之宮「須我神社」が鎮座し、島根県の無形文化財に指定されている「山王寺神楽」が伝承され、暮らしの中に歴史や伝統文化が息づいている地域でもあります。

秋の空、秋の風、山の緑と黄金色の稲
自然と人の営みが広がる山里の暮らし

今日は山王寺棚田実行委員会が主催する「田んぼの学校」の稲刈りの日。いつもはひっそりとしている山里に、地域の人はもとより棚田のオーナー、稲刈り体験にやってきた家族連れ、会社員や学生など、大勢の人が集結しました。 秋晴れの下、それぞれの棚田に入り、汗をかきながら黄金色の稲をカマで刈り取っていきます。
「こうして地域外の人が集い、子どもたちの声が聞こえることは本当にうれしい限りです」と実行委員会の高島幹雄委員長は話します。

人のご縁も旅のつながり。

この美しい棚田の風情を残すために「田んぼの学校」では春は田植え、初夏にはかがり火、秋には収穫などのイベントを行い、保全に取り組んでいます。しかし山王寺地区は人口が減る上に農家も高齢化し、田植えの準備、夏の草刈りなども、ままならない状態。一方、稲刈り参加者は「来年も子どもたちと一緒に来たい!」と、稲刈りを体験し、自然のありがたさや農業の大切さを学んだようでした。
収穫や食を通して地域と参加者との結びつきが、山王寺に新たな息吹をもたらしていました。

人のご縁も旅のつながり。

稲刈りに参加した棚田のオーナーと参加者、地域の皆さん。